わたしの中にある「見えない粒」

作品を見てくれた人に、たとえすべてが理解されなかったとしても、
それでも私は、自分の考えやイメージを伝えたいと思うようになりました。

わたしの中に芽生えるテーマ

きっと、私の内側にあるものは
人から見れば「少し重い」と感じられることが多いのかもしれません。

まじめなこと、
日常ではあまり話題にしないこと、
愛や哀しみのような、
どこか照れくさいけれど大切なこと、
目には見えないけれど、確かに存在する感情のこと。

そういったテーマが、私は昔から好きで、自然と惹かれてしまいます。

「ふれあう感触」油絵 / F6号

ふと浮かぶ考えの粒たち

散歩をしているときも、
部屋にいるときも、
仕事や家事、買い物の最中にも、
ふとした瞬間に、そういう考えが浮かびます。

それが何なのか、自分でもはっきりわからないこともあります。
けれど、あたたかい気持ちになる瞬間があって、
その感覚を、今の私なら「絵」にできる気がするのです。

なぜ描くのか?
なんのために描くのか?

そういう問いの前に、ただ「描きたい」と感じる。
それが今の、わたしの自然な気持ちです。

心の琴線に触れる、繊細な表現を

ゴーギャンの色彩、
ボナールやゴッホの筆致、
ムンクの繊細な感情、
バルテュスの不思議で魅力的な人物たち。

わたしの好きな画家たちの
ユニークな表現あふれる作品に心ときめきつつ、

少しでも自分の中にそのエッセンスを
取り入れてみたいとも感じます。

それは模倣ではなく、
自分だけの描き方を少しずつ見つけていく
というかたちで。

わたしの中にある、まだ形になっていない「粒」のようなもの。
それが、作品を通して誰かの心にそっと触れるように。

そんな願いを込めて、日々研究しながら描いています。


最後までお読みいただきありがとうございました。