作品を見てくれた人に、たとえすべてが理解されなかったとしても、
それでも私は、自分の考えやイメージを伝えたいと思うようになりました。
わたしの中に芽生えるテーマ
きっと、私の内側にあるものは
人から見れば「少し重い」と感じられることが多いのかもしれません。
まじめなこと、
日常ではあまり話題にしないこと、
愛や哀しみのような、
どこか照れくさいけれど大切なこと、
目には見えないけれど、確かに存在する感情のこと。
そういったテーマが、私は昔から好きで、自然と惹かれてしまいます。

ふと浮かぶ考えの粒たち
散歩をしているときも、
部屋にいるときも、
仕事や家事、買い物の最中にも、
ふとした瞬間に、そういう考えが浮かびます。
それが何なのか、自分でもはっきりわからないこともあります。
けれど、あたたかい気持ちになる瞬間があって、
その感覚を、今の私なら「絵」にできる気がするのです。
なぜ描くのか?
なんのために描くのか?
そういう問いの前に、ただ「描きたい」と感じる。
それが今の、わたしの自然な気持ちです。
心の琴線に触れる、繊細な表現を
ゴーギャンの色彩、
ボナールやゴッホの筆致、
ムンクの繊細な感情、
バルテュスの不思議で魅力的な人物たち。
わたしの好きな画家たちの
ユニークな表現あふれる作品に心ときめきつつ、
少しでも自分の中にそのエッセンスを
取り入れてみたいとも感じます。
それは模倣ではなく、
自分だけの描き方を少しずつ見つけていくというかたちで。
わたしの中にある、まだ形になっていない「粒」のようなもの。
それが、作品を通して誰かの心にそっと触れるように。
そんな願いを込めて、日々研究しながら描いています。
最後までお読みいただきありがとうございました。