観る人の中に芽が出る余白
絵って、「伝える」ものだと思っていたけど、
全部伝えようとしないほうが、むしろいいのかもしれない。
最初は「これを描きたい」っていう気持ちから始まって、
次に「どうしたら伝わるかな」と考えるようになって、
でも今は、「伝えすぎない」ことの大切さを感じている。
ぜんぶ説明しなくていい。
見る人の中で、そっと芽が出るような余白があるほうが、
絵はもっと自由に、静かに届いていくような気がする。
描くって、やっぱり楽しい
描くことの喜びをあらためて感じる。
計画通りじゃなくて、偶然から現れるもの──
にじみや形、なんとなく見えてきた風景に、自分の心の中がふっと出てくる。
そういう瞬間が、いちばん嬉しい。
モチーフは探すものじゃなくて、気づくもの
「描くものがないな」と思うとき、
実はもう心の中にあることが多い。
ただ、日々のあれこれに気を取られて、気づかずに通り過ぎているだけ。
誰の中にも、たくさんのイメージや思いがある。
それが見えてくると、描きたいものは自然とあふれてくる。
まだまだ説明っぽい絵になってしまうこともあるけれど、
少しずつ、余白のある表現に向かっていきたい。
見る人の心の中で、ふっと何かが芽生えるような絵を目指して。